ある日おじいさんが洗濯物を干そうと窓を開けたらやせた見慣れない猫が鳴きついてきた。甘えた猫なで声を出したと思ったらシャーと威嚇してきたのでおじいさんはあきれて窓を閉めた。
またある日おじいさんが買い物に外へ出るとあの猫がまたいた。甘えた声で餌をねだったとおもったら顔を見るとまた威嚇してきた。またおじいさんはあきれてその場を去った。
更にある日またおじいさんが窓を開けると同じ猫が鳴いた。次の日おじいさんは窓の外に餌を置くとしばらくして餌はなくなっていた。
おじいさんが風呂に入っていると、風呂の窓に猫の姿があらわれた。風呂の窓を開けて餌を置くと、猫はくわえて持っていった。
おじいさんが台所で料理をしていると、猫の陰が台所にあらわれた。窓をあけて煮干を差し出すと、またくわえてもっていった。
それから毎日猫は台所の窓に姿を見せた。その度におじいさんは煮干をやった。
ある日猫が増えていた。親の真似をして甘えた猫なで声ばかり上達して、そのあとにすぐ威嚇した。餌をやると腕をのばして爪でひっかけてとろうとするので、おじいさんは手をひっかかれた。しばらく餌をやらなかった。それでも猫はおじいさんの影が見える度に鳴き付いてきた。
しばらくすると増えた猫は大きなオス一匹をのぞいていなくなった。二匹はまた毎日やってきた。
半年ばかりするとまた猫が増えていた。兄弟で固まって餌をもらいに来た。この頃からおじいさんは咳き込むようになった。
おじいさんが猫に餌をやる回数が減っていった。それでも猫は雨の日も雪の日も窓に姿を見せた。
終におじいさんは姿を見せなくなった。それでも猫は窓の前に集まっていた。小さい猫からやせていき次々といなくなっていった。最後に母猫が消え、大きなオスが残ったが、それもいなくなった。
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