2014年5月16日金曜日

LGBTと共同幻想論

欧米の性差、ジェンダーをめぐる議論で一番核になっているのは、主に文芸批評の分野におけるフレンチ・フェミニズムの理論で、フロイトからラカン経由の精神分析議論が入っています。 膨大な文献がありますが、有名になったのは「ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱」です。 欧米の議論で驚くのは生物学的性差、オスとメスであることが生み出す違いを一切認めないことです。 その見地からすると渡辺淳一氏のように医師の見地からの解剖学的女性論はすべて男の幻想になる。 僕もいくつか原書を持ってますがとても追いつけない。日本で議論が深まるにはもう少し場が必要でしょう。 これは居場所とかかわる問題だと思いますが、吉本隆明の共同幻想論では対幻想という概念で男女問わず「一対一」の関係性を問題にし、3人以上の集団性を共同幻想とし、自分自身との関係を自己幻想とします。 精神分析理論は対幻想の問題をあつかっているのですが、この三つの次元、とくに共同幻想という概念は欧米の思想家にはまったくありません。 地域が自立していくためには場所の共同幻想の構築が必要になるというのが僕の視点で、そのために地域史をひっぱってくる。 スマホなどでは恋愛、つまり対幻想の物語がメインになっているようですが、私の関心は失われてしまった土地の幻想にあり、神社祭礼などを調べている。

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